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突発日記

この日記は個人的設定・考察・気分によるイラストがてんこ盛りです。お気をつけください。

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The square of color

仕事に疲れてあまーいのを書きたくなったから久々の突発話。

裏かなこれ。もう基準曖昧。
本番じゃないし、キスはしてるけど雰囲気だけだから多分大丈夫なはず。
タイトルは「色の二乗」とか、なんかそんな感じのイメージで。
あとでサイトにも掲載します。

当たり前のようにスレモニです。
学園設定。


続きは↓
どうやら、本日のアレン家の夕食は焼き魚のようだ。
今の今まで家庭教師モードだった脳みそが、一階から階段をのぼって漂ってきた食欲を誘う焼き魚の香りを感じた途端にスイッチオフ。
人に何かを教えると言う行為は想像以上に体力や脳を使うのだろう。
程よい疲労感と空腹感を覚えた俺は、ずっと左にひねっていた首と腰を元に戻すために
椅子の背もたれに寄りかかって伸びをする。
それが長年続いている、モニカへの家庭教師時間終了の合図だ。
パキン、と予期していなかった部分の背骨がなり、思わず「おふっ」と呻くと
左のモニカが「お年寄りじゃないんだから」と呆れたように呟く。
そう言いつつも、やはり長時間同じ体制で問題を解き続けるのはモニカもきついようで、
ノートと現代文の参考書を閉じると祈りのポーズのように掌を重ね、そのまま掌を前に出し伸びをした。
モニカは嬉しい時なんかは羽根がパタパタ動くが、伸びをする時や欠伸の時も小さな羽根がプルプル震える。
無意識と言うより反射に近い仕草なんだろうけど、それが可愛い。
言うと怒るから言わないが。
視線に気づいたモニカが「なに?」と視線で返してきたので「今日、焼き魚みたいだな」と言いつつ、勉強お疲れ様、よくできましたの意で頭を撫でる。

「ん。そうね、お母さんは魚が好きだから」

照れなのかなんなのか、モニカは普段あんまり頭を撫でさせてくれない。
しかしこの勉強終わりのナデナデは、それこそ小学一年の頃からのお決まりの動作だからなのか、
ちょっとジト目で睨んできたり、ましてや手を払いのけたりはしない。
くすぐったそうに目を細めて俺が撫で終わるのを待つ様は、
普段猫っぽいモニカが犬っぽく見える瞬間でもある。
滑らかな絹の様なモニカの髪は指に絡まったりせずに指の間をスルリと通った。
有名文学者とその作品名を教えて体力とか気力とかエネルギー(別名モニカ分/命名はグレイ)が不足していた俺は
もっとその感触を味わっていたくて頭頂部を撫でているだけだった掌を少し下へと移動させる。
勉強机上のライトは付けていたが、部屋の電気は付けていない。
なのでまだカーテンを閉めていない俺の背面の窓から西日が入り込み、モニカは俺の影にすっぽりおさまっていた。
影にはなっているが、白を基調としているモニカの部屋の壁に光の波長の長い西日のオレンジ色が反射され、
昼間だとベビーブルーの髪がアプリコット色のように、純白の羽根はサンオレンジ色に見える。
色味は違って見えても肌触りに違いなんてない。
左にひねっていただけだった体を完全にモニカへ向け、椅子から身を乗り出す。
右手をモニカの左頬に伸ばしソッと撫でると、形のいい唇が音は出さずに少し震えた。
そのまま人差し指と中指で髪を耳にかけるように動かし首筋を、親指で露わになった耳を撫でる。
今度は「ふ、っ」とモニカの口から息が漏れた。
俺が何をしようとしているかは、これが最初じゃないんだからきっとモニカだって分かっているはずだ。
でも抵抗されないのをいい事に右手をモニカのうなじまで滑らせ引き寄せると同時に
完全に椅子から立ち上がりモニカの方へ身を乗り出した。
左手でモニカが座っている背もたれに掴まりバランスをとる。

「スレイン……」

まずは一回。ただ重ねるだけの、子供のようなキス。
薄く開けられた唇からこぼれる吐息が自分のそれにも当たり、背中をゾクゾクとした何かが駆け上がる。
押し倒しそうになる衝動を抑え込んで、くすぐったいぐらいの軽いキスを数回続けた後、少し唇との距離をとった。
机上のライトがあるとはいえ、段々と日が暮れて行くこの部屋はさっきより薄暗くなっていたが、
至近距離の潤んだモニカの瞳が何かを訴えるように揺れているのはすぐに分かった。

「……スレイン」

名を呼ばれ、今度は唇が少し押されて形が変わるぐらいの強さでキスをする。
着実に熱を帯びる一点を何度も角度を変えて重ねていると、
さっきまでペンを握っていた細く綺麗なモニカの指が俺のブレザーを強く握りしめ、クンッと己の方向へ引いた。
鼻で呼吸しているとは言え、興奮状態の脳みそがそれぐらいの酸素量でうまく働くはずもない。
荒くなっていく呼吸で開いた唇に舌を這わせる。
その瞬間こそモニカの身体と羽根が震えるが、
拒むどころかブレザーを握りしめている手をもっと引き寄せるモニカの仕草に我慢が出来ず
不安定な体制でキスするために背もたれに掴まり体重を支えていた左手でモニカを抱きしめ、そのまま立ち上がった。
上体だけでこっちを向いていたモニカと向かいあい密着は出来たが、身長差の都合でモニカはずいぶんと背伸びをする事になる。
むしろ足が床に付いておらず、軽く抱っこ状態でかなり苦しい格好かもしれない。
それでも離れず、今まで使っていなかった手とブレザーを握りしめていた手を俺の背中に回してくれた。
感極まって抱きしめている腕に力を込める。
細い身体は柔らかくしなり、「んんっ」と鼻から漏れる声が耳に届いた。
おずおずと俺の舌に触れてくるモニカの舌先は積極的に動いたりはしないが
俺がわざと何もせずにいると誘うように俺の舌の裏をゆっくり舐め上げ、柔らかな唇で甘噛みしてくる。

「すれ、いん」

深呼吸のために口を離すと、合間合間にたどたどしく俺の名を呼んでくれる。
最初は、しっかりとしたいつもの声色で。
次第に、輪郭が溶けて甘く色づいた声色で。
一度色付くと、あっという間にその色に溺れる。

「……モニカ」

でも、それはきっと俺だって同じ事だ。

「す、れい、ん」
「もに、か」

もっと、と。
俺のだか、モニカのだか。
声にならない色の付いた声がする。

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